海外投資と為替の関係

先日、自宅不動産の取得について、金利との関係から最適戦略を述べました。(http://d.hatena.ne.jp/lethevert/20040517#p1)そのときの結論は、「今は頭金をためながら、高金利を待って、高金利のピーク時に、変動金利ローンで不動産を購入し、低金利になった時点で、固定金利ローンに借り換えを行う」というものでした。


さて、今度は、海外投資と為替の関係を考えます。
今、高金利通貨への外貨預金が流行っているようです。これは本当に正しい投資戦略なのでしょうか?
たとえば、10年国債が8%の金利をつけている国を考えると、この国は、一見、投資対象として非常に魅力的な国に見えます。経済は安定していて、通貨も高騰しているでしょう。わざわざ、リスクをとって株式に投資しなくても、安定した国債に投資すれば、低リスクで高リターンが得られるように思えます。
しかし、ちょっと待ってください。この国の国債金利は、将来もこの水準にとどまるのでしょうか? 景気には波があるものですから、今後は金利は下がるはずです。国債に投資して、満期保有の予定ならば、国債金利が下がること自体は何の痛手にもなりませんが、問題は、それが為替の動向に影響をあたえることです。金利が下がれば、通貨も安くなります。通貨が安くなれば、円建ての国債の価格は下がってしまいます。結果的に、高金利を目論んだ投資のはずが、思ったほどのリターンを得られない可能性は十分にありえます。


むしろ、低金利の国(つまり、不景気の国)に対して、株式投資を行うことが、高リターンを狙える方法です。(確かに、リスクはありますが。)
不景気の国は、景気の波を考えると、今後、景気が改善してくることが予想されます。その場合、株式は上昇します。また、金利も上昇するので、それにつられて為替も上昇します。株式の上昇と為替の上昇のダブルの効果で、円建ての資産はどんどん増加することになります。