食費の制限について

『超簡単!「新」家計簿の付け方』の更新の方は、さっぱりはかどっていないのですが、ネタがないのではなく、時間がないのです。ブログの記事は10分程度で書けるのですけど、ちょっとまとまったページは、ある程度時間をとらないとかけないのですよね。
ということで、時々、記事の方に、小ネタを小出しに書いていこうかなと思っています。

さて、家計管理を実行する上で、食費の制限をしている人って多いんじゃないでしょうか? 今月の食費はこれだけ、とかって決めて、袋に小分けして見たりとか。でも、それってあんまり意味がないことなんですよね。

エンゲル係数って言葉、ご存知でしょうか? 下に用語解説を入れておいたので、わからない人は読んでみてもらえるとよいのですが、その中に、「家計における食料費は、収入の大小にあまり関係なく、ほぼ一定の支出があると考えられる。」という文があります。まあ、この例を引くまでもなく、食費というのは、変化しにくい支出なのです。変化しにくいとは、削減しようと思ってもあまり削減できないし、いい加減に使ってもそれほど増加しないということなのです。
確かに食費は、家計の中に占める割合は高いのですが、このような食費の性質をわかっていれば、食費を制限することが、家計管理の上で、余分な手間を増やすだけでメリットが少ないことに気づくと思います。正しい家計管理の上では、食費は制限する対象ではなく、毎月一定額が消費される固定費だと考え、健康を維持できるような食生活を営む努力をする方にエネルギーをより多く割くべきです。

支出を制限する対象とするべきなのは、レジャー、旅行、趣味、衣類などの生活する上で必要不可欠なものではない部分の支出です。これらは、適切に制限しないと、お金があればその分どんどん使ってしまいかねないものなので、制限を設けることは必須です。


-----用語解説-----
エンゲル係数【エンゲル・けいすう】
(Engel's coefficient)

家計の消費支出に占める食料費の割合

家計の消費支出のうち、食料費がどのくらい占めているのかを数値(%)で表示したもの。エンゲル係数は、生活の程度を表す経済指標としても使われている。

家計における食料費は、収入の大小にあまり関係なく、ほぼ一定の支出があると考えられる。したがって、収入の増加にともなって、消費支出に占める食料費の割合が減少するという統計的現象が見られる。この法則は、発見者の名にちなんでエンゲルの法則とよばれ、消費支出に占める食料費の割合のことをエンゲル係数という。

エンゲル係数が小さいと、生活にゆとりがあると考えられている。しかし、収入がある金額以下になると、食料費が削られるために、収入が低いにもかかわらずエンゲル係数が小さくなるという逆転現象も起こる。

日本のエンゲル係数は、60%という高い水準を超えていた戦後から減少し続け、2001年には23.2%になった。高度経済成長期における国民所得の伸びを反映した結果だが、最近のエンゲル係数には、世帯当たりの人数の減少などの要因が働いていると見られている。