松下とLG、PDP特許紛争で和解 クロスライセンス締結 (4/4)

対立から一転して協調になったようですが、この背景には、プラズマと液晶の覇権争いがあるようです。特許にこだわって裁判をやっている間に、液晶の攻撃でプラズマのシェアが下がってしまうことに危機意識をもったことで、和解して強調するという道を選んだのです。
松下とLG、PDP特許紛争で和解 クロスライセンス締結 - ITmedia NEWS
Linuxが好例ですが、権利に縛られないことが普及を促進し、結果として市場が育って利益を得ることができるという逆説的な現象があります。IBMやSunなどでは、知的資産をすべて囲い込むのではなく、その逆に、多くを解放して市場を育てることで、デファクトスタンダード技術の主導権を握り、業界をリードしていこうという動きが見られます。いわゆる「オープンソース戦略」です。これは、Linuxで成功した事例を、意図的にビジネスの戦略として実行しようとしている試みです。
先だって松下とジャストのアイコン特許裁判を批判しましたが、このような重要性の低い知的資産について権利を行使することは、その知的資産の活用を低め、市場を縮小させるような行為ではないかと思います。「オープンソース戦略」を採用する必要はありませんが、松下のようなリーディングカンパニーの場合には、瑣末な特許の権利を主張することで市場を縮小させる危険を冒すよりも、むしろ市場をリードして市場全体を拡大させることで収益を高めるという戦略をとるべきではないかと思います。