エディタを選ぶ

そういえば、会社で「達人プログラマ」という本が置いてあったので、なんとなく開いてみてみたら、エディタについて、自分のエディタを見つけて、とことん使いこなすべきみたいなことが書かれていた。
達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道
「1つのエディタでエディタでプログラミング,ドキュメント書き、すべてをこなせ,エディタはひとつを究めろ」「IDEでプログラムの開発,メールソフトのエディタでメールを書く,ドキュメントは付属のオフィスソフトで書くという行為は好ましくない」らしいです。
で、それってどうなんでしょうね。本には、例にemacsとかが出ていましたけど。

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私は、目的に応じたソフトを使うべきだと思っています。
確かに、emacsは高機能で便利なんですが、emacsでは絶対にできない(あるいは、非常に効率が悪い)種類の作業があるわけで、そういうものに対して、がんばってメジャーモードを自作したり、関数を作ったりするよりも、専用のソフトを使った方が圧倒的に早い。
たとえば、(私は、smalltalkを実際に使ったことはないのですが、)どんなにemacsに精通していても、smalltalksmalltalkを使って書くほうが、emacsを使って書くよりも多分効率的だと思います。

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また、一つのソフトにのみとらわれてしまうのは、視野を狭めてしまうと思っています。
ある一つのソフトの操作性にのみ適応してしまうと、作成するソフトウェアの操作性もそれに偏ってしまいがちです。特に、プログラマにとって便利なツールは、普通のユーザにとって直感的なユーザーインターフェースからかなり乖離していることがあって、そういう感性で作ったソフトは、やはり使いにくいものになってしまいかねないと思っています。

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さらに、一つのソフトしか使えないと、環境が変わったときに順応しにくくなることもあると思っています。
たとえば、emacsがない環境というのは、別に珍しくありません。それはWindowsに限らず、Unix系でも、サーバなどにはemacsを入れていないことが多いです。そういう環境にリモート接続で入って作業をしなければならない場合、当然viで(さすがに、viはサーバでも普通は入っているはず)作業するわけですが、emacsしか知らなければ、どうすればいいのでしょう?

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だから、私の結論は、なるべく操作性の違う複数のエディタを使いこなしておくべきだと思います。
(もちろん、使いこなすべきで、バックスペースと矢印キーでしかカーソル移動ができないようなのは論外ですが)