オープンソースソフトウェアライセンス

オープンソースソフトウェアライセンスについての見解を書きたくなったので。

アプリケーションプログラム

の場合は、迷うことなくGPLで。何も失うものはないです。
ただし、利用するライブラリがGPLと互換性がなければ、検討の必要があります。

動的リンクされるライブラリ

の場合は、静的リンクしなくてもいいということが、将来にわたって見通せるなら、迷うことなくLGPLで。
GPLについてhttp://opentechpress.jp/opensource/article.pl?sid=06/08/31/0233200とかを見ると、

こうした誤解の大元になっているのは、おそらく現行のGPLのセクション2にある、GPLソフトウェアの改変版に対してもGPLライセンスが適用されるとした規約であろう。もっともこのセクションでは、特定のプログラムが「それら自身別の独立した著作物であると合理的に考えられるならば」GPLは適用されないことおよび、保存先についても「一巻の保管装置ないし頒布媒体に収めても、その他の著作物までこの契約書が保護する対象になるということにはならない」と明示されている。なおFontana氏が指摘しているように、派生著作物の定義についてはより明確化する余地が残されており、その点は同ライセンスの第3版で改められるべきであるが、一般的な原則については誤解の余地はないだろう。

ということだそうで、これがLGPLの原文になると、http://www.gnu.org/licenses/lgpl.ja.html

If identifiable sections of that work are not derived from the Library, and can be reasonably considered independent and separate works in themselves, then this License, and its terms, do not apply to those sections when you distribute them as separate works.
...
In addition, mere aggregation of another work not based on the Library with the Library (or with a work based on the Library) on a volume of a storage or distribution medium does not bring the other work under the scope of this License.

となっているので、Readmeとかに明確に記述しておけば、LGPLなライブラリをパッケージ内に同梱しても、アプリケーションプログラムの側はLGPLに従う必要はないはずです。
ただ、気をつけておきたいのは、http://www.opensource.jp/lesser/lgpl.ja.html.euc-jp

「『ライブラリ』を利用する著作物」が、『ライブラリ』の一部であるヘッダファイルから採られたコード等を利用する場合、ソースコードはそうではなくても、その著作物をオブジェクトコードにしたものは『ライブラリ』の派生物になる可能性がある。これが真であるかは、その著作物が『ライブラリ』抜きでもリンクされうる場合、あるいは著作物がそれ自身ライブラリの場合特に重要である。これが真になるための閾値は法では正確には定義されていない。

とあるように、外部公開用のヘッダファイルだけは、LGPLライセンスの他に、静的リンクされるライブラリで利用するライセンスとのデュアルライセンスにしておいた方が無難です。

静的リンクされるライブラリ

それを利用するアプリケーションプログラムがオブジェクトコードを配布しないことが分かっていれば、LGPLでよいのですが、普通はそんなことはないですから、別のライセンスを選びます。
http://gnu.teleglobe.net/licenses/license-list.ja.htmlには、いくつか選択肢が上がっていますが、修正BSDライセンスX11ライセンスを選ぶのが無難そうです。