上級管理職の転職が一般化するといいのだけれど

「休みたいならやめればいいらしい」の話は関連するのですが、
ベンチャーを起業して成功する人って、ちょっとバカなひとでなければなれないと思うのですよね。いや、失礼な物言いなのは分かっているのですが。
普通に考えて、起業なんて、背負わなくてもいい苦労を背負うし、信じられないほどリスクが高いし、周りは反対ばかりだし、成功報酬が大きいといってもそんな大金を手にしたところで普通に幸せな人生には多すぎる額ですよ。
ということは、そういうところに手を出して、かつ成功する人って、ハードワークやリスクを非常に好むし、自分の能力や判断に強い自信を持っているし、一度決めたら他人の意見はほとんど聞かないというタイプの人に限られてしまいますよね。ね?
でも、一人の人間の持っている能力って、どんなに才能があったって、どんなに頑張ったって、限られた範囲しかカバーできないわけですし、人生の目標や価値観にはいろいろなものがあるわけですよ。
創業社長というのは、生来的にそういうところがあまりよく理解できないタイプなんじゃないかと思うのです。理解しようとしている人がいることは知ってますけど、得意じゃない。
同じような人間だけが集まれば、それでうまくいくというのなら、創業社長が自分と同じタイプだけ集めて会社を作ればいいのですけど、そううまくいくというものでもないですよね。人間の能力にはカバーできる範囲があるし、多様性は安定的な経営基盤を築くためのリスクヘッジになるわけです。
だから、ベンチャーが有望だと分かったら、早い段階で優秀な人材で経営チームを編成するべきだと思うのです。多様な価値観をもった人材で構成された経営チームが、それでも優秀だということを見れば、石頭でちょっとバカな創業社長でも価値観の多様性ということを理解すると思うのですよね。それに、自分の不得意な分野までしゃしゃり出て明後日なことを言ったり行ったりしないはず。
では、なぜそういう経営チームが編成できていないか(成功した日本のベンチャーで、リスク要因に「経営者への依存」を挙げているところは非常に多い!)というと、そういう経営チームを編成するための人材が流通してないんじゃないですか?これって、もしかすると、日本で大きな成功をおさめるベンチャーが登場しない理由のひとつかもしれないですよ。

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それとは別に、大企業を見てみると、大企業のキャリアっていうのは、大雑把に言って減点方式なんですよね。特に、上級職になるほどそう。しかも、人生っていうのは落とし穴はどこに空いているか分からないのですよ。
そうすると、運悪く落とし穴にはまっちゃった人は、そのペナルティとして一生を棒にふるっていうこともある話なわけです。再起できないのかというと、下からどんどん新しい候補が上がってくるわけで、その中で再起って結構きついことですよね。
しかし、落とし穴にはまったとはいえ、経験豊富で優秀な人で、そのまま終わりにしてしまうのはもったいないという人もいるはずです。これって、ある意味、日本全体としても損失だと思いません?

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大企業でキャリアを積んだ上級管理職と優秀な経営チームを欲しているベンチャー企業
この2つはベストマッチになる可能性があるんじゃないのかなーとか思う、今日この頃です。