税収と年金の規模が逆転

Nikkei NET 2/Mar/2004 年金給付、初めて税収を逆転
ここでいう税収は国の一般会計税収のことだ。2003年の一般会計の税収は42兆円を割り込み、年金給付は44兆円を超えてきている。
一般会計は、国民が選挙で選んだ国会議員によって、毎年、予算案が国会審議にかけられ、修正されている。また、毎年、決算のチェックも国会で行っている。それに対し、年金には、国会のチェックが行き届かない。法律を通してしか国会は年金資金の使途を制限できず、基本的には官僚の裁量に任されているといってもよい。
国の財政の大きな一部でありながら、国会のチェックの働かない部分がこれだけ大きくなっているということは、三権分立の基本思想に抵触してくる問題だ。国会財政に対するチェック機構が正しく機能しなくなっていることが、今の国の財政難を加速させていることは間違いない。