不動産価格と金利の関係

http://www.bird-net.co.jp/rp/BR020114.html
先日のマンション見学の一件から、さまざまなことに思いをめぐらせて、最終的に、不動産の価格は、金利と密接な関係があるのではないかという命題に帰着しました。
何を言っているのかというと、不動産の価格は、金利が上昇すると下落し、金利が下落すると上昇するという、債権の価格と同様の動きをするということです。
不動産の利回り = 金利 + リスクプレミアム
であると考えると、リスクプレミアムが一定ならば、金利が上昇すると不動産の利回りも上昇し、収益還元価格によって決定する不動産価格は下落します。上記のWebページに書いてあることそのままです。


先日のマンション見学のあと、不動産は買いなのか?ということを考えていたのですが、現在のところ「損得なし」という結論に至ったのですが、これは、今の金利が変化しない場合の結論であって、金利の動向によっては、その結論が変化するかどうかが非常に気になっていたのですが、上記の命題「不動産の価格は、金利が上昇すると下落し、金利が下落すると上昇する」を考え、リスクプレミアムが変化しなければ、金利がどのように変化しても、「損得なし」の結論に変化はないことになります。


問題は、リスクプレミアムの変化です。
バブル期に、リスクプレミアムの極端な低下を経験した日本経済は、現在、リスクプレミアムがかなり上昇しています。この上昇が行き過ぎたものならば、必ず反動によって、将来、リスクプレミアムの低下が起こるはずです。リスクプレミアムの低下は、不動産価格の上昇を意味しますので、今、不動産を買う方が有利、という結論になります。
また、商業用地に比べ、住宅用地の価格下落が小さいことを考えると、リスクプレミアムがさらに上昇する可能性もあり、その場合は、不動産価格がさらに下落します。
このいずれのシナリオになるのかは、まだ結論が出ていない状態です。


現在の結論としては、「今は頭金をためながら、高金利を待って、高金利のピーク時に、変動金利ローンで不動産を購入し、低金利になった時点で、固定金利ローンに借り換えを行う」というのが、ベストの方策ではないかと考えています。しかも、「金利時代に作られた、中古不動産を購入する」ということも付け加えます。というのは、低金利時代には、住宅の建設価格が高いので、よりしっかりした良質の不動産が供給されているはずだからです。


あと、未検討の課題は、「インフレ率」です。インフレ率が高ければ、今購入する方が得であるし、インフレ率が低ければ、後に購入する方が得になります。どの程度のインフレ率が損益分岐点になるかの分析は、今後の課題です。