一般市民のための、不動産に対する投資スタンス

「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門」ISBN:4344002628
この本は、私が資産形成を考える上での起点になった本だが、この本で述べている不動産投資に対する認識と、私の考えについて乖離が出てきたので、記録しておこうと思う。


最初、私は、不動産投資(自宅の購入)に対しては、非常に消極的な立場だった。この本で指摘しているのと同様の理由から、資産形成上、不利にしかならないと考えていたからだ。しかし、最近は、不動産の購入は、非常に有益な投資になりうると考えている。


そもそも、投資と言うのは、資産形成を目的として行うものであって、投資の上で、もっとも重視しなければいけないものは、利回りだ。すべての投資は、利回りを基準にその有効性を判断する。
投資をする上で、投資対象から期待するリターンは、2種類ある。インカムゲインキャピタルゲインだ。

  • インカムゲインは、利息収入のことで、インカムゲインを期待する投資は、長期間その資産を持ちつづけ、毎期得られる利息収入を重視するので、売却時の価格のことはあまり考慮しない。
  • キャピタルゲインは、資産の市場価格の値上がり益のことで、購入価格と売却価格の差額による利益を重視し、常に現金と交換できる流動性が求められる。

不動産投資は、明らかに、インカムゲインを目的とした投資だ。


「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門」で述べている不動産投資に対する批判は、不動産投資をキャピタルゲインを目的とした投資として考えた場合の批判であって、インカムゲインを目的とした投資と考えれば、その批判はあたらないように思われる。
都内では、新築マンションの販売価格は、年利7%程度の利回りを持った投資に相当する価格で販売されている。もしも、現金で一括購入できる余裕があるならば、購入にためらう必要はない程度の利回りだ。たとえ将来、不動産の価格がさらに下落したとしても、インカムゲイン目的の投資であることを考えると、何も問題はない。


ただし、住宅ローンを組んでの購入は、慎重になるべきなのは、言うまでもない。


lethevertの書評 - http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/cm/member-reviews/-/A2UW1E40J9AJOC/249-5650055-1753119