青色ダイオードで中村教授に8億円

8億円が高いか安いかを議論しているが、実際、芸能人やスポーツ選手の収入と比較すると随分低いというのは、否定できないのではないかと思う。TVCMに出演するタレントには、億の出演料を払うことは普通なのに、企業に莫大な利益を与えた発明をした研究者に億の発明対価を払うことに大きな抵抗を示すことは、今ひとつ、理解ができないところだ。けちというよりも、研究者に対して、企業がその程度にしか評価していないということなのだろう。しかし、それはすこし研究者をなめているのではないかと思う。
もし、中村教授が、青色ダイオードに対して、1個いくらという歩合制での発明対価を設定していたら、一体いくらの発明対価になったのだろう。それは、将来にわたっての対価も含んでの額ということだ。
あるいは、中村教授が、その技術をもって起業していたら、一体いくらの資産を築き上げていただろう。
本来だったら、青色ダイオードの価格には、中村教授の取り分の価格が上乗せされて決められていたはずだが、日亜化学の場合は、それを上乗せしていなかったわけだから、発明対価を払う原資がないのは当然だ。原資がない(=企業が倒産してしまう)ことを理由に、発明対価の上限にキャップをつけることは、本来の意味からして順序が間違っているとしか言わざるを得ない。
参考)http://d.hatena.ne.jp/issoft/20050112/p1