英語教育

「世界三難解語」でググってたら、下のサイトを見つけました。英語の語彙強化の方法について、辞書暗記法「アンチ・バベルの塔」という単語の丸暗記という方法を提案されています。
辞書暗記法「アンチ・バベルの塔」の応用: アンチ・バベルの塔 (The Tower of Anti-Babel)
僕は、語彙がどのくらいあるかはよくわかりませんが、心理学の知識がないところに『Teach Yourself Psychology (Teach Yourself: Relationships And Self-Help)』の本を辞書なしで読んで95%くらいは理解しているつもりですので、その程度の英語力での話ですが、中学生で英語を初めて以来、自作の単語帳も市販の単語集もほとんど使ったことがありません。中学生のころから、来る日も来る日も、知らない単語を辞書で引きながら、まとまった量の英語の文章を読みつづけてきました。*1
英語の読解力が、かなりの割合で語彙力に依存することは、経験的に知っていますので、上記サイトの主張の前提とするところには賛成するのですが、語彙力の向上方法として単語集やカードを利用した方法は、ベストではないと思っています。少なくとも、僕が考えている「実用的な英語運用能力」というところまでは、まとまった量の英語の文章を大量に読むという方法の方が、より有効なのではないかと思っています。
というのは、読解力は、語彙が不足していると話にならないのは確かなのですが、文脈の理解力がないとどれだけ語彙力があっても最高で半分くらいしか理解できないということも経験的に知っている*2からです。つまり、ある程度のレベルまでは、語彙力と文脈理解力をバランスよく伸ばしていかないと、思うように読解力が向上しないということです。
語彙力と文脈理解力を同時にバランスよく伸ばすことを考えると、単語帳などを使った単語の暗記に偏った英語の学習は、文脈理解力を損なってしまう可能性が高いため、好ましくないと言えます。ただし、英語の学習の初期段階からすべてを英文読解に頼ることは、非効率である可能性があるので、必要最低限の単語は暗記に頼る必要があると思います。しかし、その場合の必要最低限というのは、数百個程度の単語数と考えた方が良いと思います。
ただ、ここで注意しておかなければいけないのは、上記のサイトでは、本来、主に5万語以上の語彙を築くための方法として辞書暗記を提案しているのであって、英語初級者を主なターゲットにしているわけではないという点です。英検1級程度の英語力を持った上で、さらに語彙を伸ばそうと考えた場合は、英文読解に頼った学習はのんびりしすぎているかもしれません。なぜなら、英文読解による語彙の伸びは、語彙が増えるに従って、伸びが減少するからです。また、広範囲の分野にわたって同時に語彙を増強することも難しいからです。さらに、すでに文脈理解力が十分についているので、語彙力のみに偏った学習をしても、何の弊害も生まれません。問題は、上記のリンクの記事で、英語初級者にも、同じ方法が活用できるとしている点で、本記事では、それには問題があると述べているのです。

*1:留学経験もないのです。

*2:実際、僕の場合、わからないなぁと首をひねるところは、たいてい平易な語彙で構成されていて、文脈的についていけなかったところであることがほとんどです。