別に僕は親ライブドア派というわけではないんですよ。

フジの日枝さんもライブドアの堀江さんも、ある意味では同じ穴のむじなに違いないわけで。どちらかが一方的に聖人君子であったり極悪人であったりするはずはないわけですよ。今回の件は、フジ・産経グループの中核企業であるニッポン放送の支配権を奪うために、フジテレビとライブドアが熾烈な資本戦争をしているだけのことで、本質的にはそれ以上のものではないわけですよ。フジテレビ≠ニッポン放送ですから、ニッポン放送の支配権を持つのについて、どちらが正統かなんて議論も無意味です。大体、MSCBに関しても、ライブドアだけじゃなくて、フジテレビの資金調達で発行したCBもMSCBですから。フジテレビとライブドア時価総額が同じくらい(5000億程度)で同じ額のMSCB(800億)を発行したことを考えれば、ライブドアが、MSCBの発行で株主に損失を与えるかもしれないということは、同じようにフジテレビもMSCBを発行しているので、フジの日枝さんのためにフジテレビの株主も損失を受けているのですよ。どうです。全く対等でしょ? こと、買収戦争について言えば、フジテレビもライブドアもどちらも悪くないんじゃないですか? あるいは、どちらも悪いのか。
じゃあ、なんでこんなにゴシップになっているのかというと、ひとつにはライブドアの堀江さんのキャラクターによるところがあるわけで、もう一つはフジテレビの経営者が保身のためにフジテレビというメディアを使って反ホリエモンキャンペーンをやっているからなわけですよ。で、まんまとそのキャンペーンに踊らされて、ライブドアの株価も乱高下じゃないですか。まだ、MSCB自体は発行されていないのに。
で、僕は、この金融スキームそのものに知的な興味を持つ以外には、ライブドアについてそれほどの関心はないのですけれど、フジテレビのネガティブキャンペーンがマスメディアの私的利用じゃないの? という疑問と、その疑問を誰も口にしない他のメディアの意識の低さに憤っているわけで、ちょっとくらいショック療法も必要じゃないの? という観点から、今回の買収騒動についてむしろ好意的に記事を書いているわけです。

フジテレビ
IRニュース
2005/01/17 第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行に関するお知らせ
(前略)
(8) 転換価額の修正本新株予約権社債の発行後、毎月第3金曜日(以下「決定日」という。)の翌取引日以降、転換価額は、決定日まで(当日を含む。)の5連続取引日(ただし、終値のない日は除き、決定日が取引日でない場合には、決定日の直前の取引日までの5連続取引日とする。以下「時価算定期間」という。)の株式会社東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の毎日の終値(気配表示を含む。)の平均値の90%に相当する金額(円位未満小数第2位まで算出し、その小数第2位を切り捨てる。以下「修正後転換価額」という。)に修正される。なお、時価算定期間内に、本項第(9)号で定める転換価額の調整事由が生じた場合には、修正後転換価額は、本新株予約権社債社債要項に従い当社が適当と判断する値に調整される。ただし、かかる算出の結果、修正後転換価額が118,650 円(以下「下限転換価額」という。ただし、本項第(9)号による調整を受ける。)を下回る場合には、修正後転換価額は下限転換価額とし、修正後転換価額が474,600 円(以下「上限転換価額」という。ただし、本項第(9)号による調整を受ける。)を上回る場合には、修正後転換価額は上限転換価額とする。
(中略)
7. 社債に関する事項
(1) 社債の総額  金800億円
(2) 各社債の金額 金1億円の一種
(3) 社債の利率  本社債には利息を付さない。
(後略)