休みたいならやめればいいらしい

http://www.asahi.com/business/update/0423/OSK200804230044.html
ほぇー、すごいな。
こういうのを見ると、どういう会社か知りたくなって、有価証券報告書とか意味もなく読みあさってしまうのです。

10年間で売上高が6倍超という成長の原動力が社員の「ハードワーク」にあることを強調した。

とりあえず、売上高が6倍超ってところを確認してみようかなと。有価証券報告書は、IR情報からでも見られるし、EDINETからでも見られるので、その辺から。

連結売上高(百万円) 連結従業員数(人) 連結1人当たり売上高(百万円/人) 単体売上高(百万円) 単体従業員数(人) 単体1人当たり売上高(百万円/人)
H12 138,504 13,337 10.4 98,117 909 107.9
H15 298,641 40,932 7.3 129,164 1,099 117.5
H19 629,667 89,070 7.1 180,596 1,524 118.5

6倍というのは連結の方で、単体の方はせいぜい2倍というところでしょうか。
わずか2%程度の従業員が働く本社の売上が、グループ全体の売上の30%近くになっている構造です。単体のH19の外部売上は89,466百万円(14.2%)で、グループ内の売上は91,130(14.5%)です。

子会社・関連会社は、主に製造拠点のアジアと販売拠点の北米・ヨーロッパという構造で、H19のそれぞれの売上は次のような感じ。

地域 日本 アジア 北米・ヨーロッパ
外部 341,642 260,837 27,188
グループ内 121,389 248,075 96

なんとなく、どういう事業体なのか見えてきた感じです。ちなみに、何を作って売っているかというと、モーターです。特に精密小型モーターに強いみたい。技術力が重要になりそうな商品ですね。
想像するに、ポイントは、海外への生産拠点のシフトに成功したっていうことなんじゃないでしょうかね。精密小型モーターのような付加価値の高いものを、労働コストの安いアジアで生産するノウハウを持っているところが、強み。

実は、有価証券報告書には、従業員の情報が記載されていて、平均給与とかも書いてあるのですが、それをちょっと見てみます。

従業員数(人) 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(円)
H15 1,099 34.3 8.1 4,824,165
H19 1,524 34.7 8.01 5,753,532

平均年齢や勤続年数が増えてないのは、従業員数が増えてるからですね。5年間で100万近く平均給与が増えてるところは、従業員数が増えてることを考えると、体感的にはもうちょっと大きいかもしれないです。採用情報によれば、新卒給与は大卒で約355万円ということらしいので、昇給率は結構大きいんじゃないでしょうか。

上記の単体の1人当たり売上高が伸びていないことを考えると、この伸びがどこから来ているかというと、

売上高 製造原価 販管費 営業利益
H15 129,164 (100%) 115,762 (89.6%) 9,880 (7.7%) 3,520 (2.7%)
H19 180,596 (100%) 153,973 (85.3%) 15,382 (8.5%) 11,241 (6.2%)

というところを見るに、製造原価を減らして利益率を高めているようです。製造原価の内訳を見るに、内製を減らして、海外子会社・関連会社の生産を増やしたことが寄与しているようです。

うーん。数字の上では結構まともな会社だ。