MicrosoftがGoogleを目の敵にする理由
について考えることは、今後のITビジネスのトレンドを考える上で非常に興味深い。
とりあえず、「クラウドコンピューティングが今後のトレンドだから」というのは却下で。なぜなら、同じように一般消費者向けのOSを提供しているAppleはGoogleを目の敵にしたりはしていない。
これを考えるには、それぞれの事業内容について分析しないといけなくて、本当は、年次報告とかじっくり読んで分析するところだけれど、今日は面倒なので雰囲気だけ。
- Apple
- 一般消費者のエンターテインメントに関する情報の流通から消費までをワンストップで提供する
- Microsoft
- ミドルエンドからローエンドの汎用ソフトウェアを提供する
- ミドルエンドからローエンドの汎用Webサービスを提供する
汎用っていうのは、OSとか認証とかデータベースとか検索とかメーラーとかオフィスソフトとかそういう何をするにも使うようなあたりという意味合いで。
AppleとMicrosoftは、同じようにOSを提供している企業で、WindowsかMacかという比較をされることが多い企業だけれど、事業内容としてはちょっとずれている。重なる部分も多く、お互い意識しているが、Microsoftはハードウェアを生産しないし、Appleは特殊な業界を除いてビジネスユースやサーバー用途には使われない。基本的にこの2社は、ユーザーベースがあまり競合しないと思われる。
それに対し、MicrosoftとGoogleは、ソフトウェアとWebサービスという違いはあるが、提供する機能やユーザーベースを考えるともろに重なっているように思える。どちらもミドルエンドからローエンドの顧客をターゲットとしているし、どちらもユーザー体験よりも実用性を重視している機能が中心になる。
こうして考えると、MicrosoftがGoogleを非常に意識して、Yahoo!に買収を仕掛けるに至ったことは、とても自然に理解できる気がする。