The End of Poverty: How We Can Make it Happen in Our Lifetime

The End of Poverty: How We Can Make it Happen in Our Lifetime

The End of Poverty: How We Can Make it Happen in Our Lifetime

http://d.hatena.ne.jp/lethevert/20080410/p3の続き。
インドの次はアフリカについて書いてあった。
アフリカの前に、中国とインドのおさらい。extream povertyのレベルにある国が経済発展(と所得の向上)に向かうには、次のような段階を経る。

  1. 清潔な水や医療や交通網などを含む基礎的なインフラの整備
  2. 農業革命による食糧生産性の増大と、それに伴う農村を中心とした所得向上
  3. 農村部の労働力の過剰、都市部への労働力の流入、高等教育により高度な技術を持った労働力の増加
  4. 都市部を中心とした工業・サービス業の発展による所得向上

インドの場合、IITによる高度な大学教育を受けた人材の供給と、そのような人材が米国に渡って築いたリレーションによって、IT産業が一気に花開いたのが、上の第4段階にあたる。

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アフリカは、非常に長期間に渡って経済が低迷している。アフリカの政情不安定が経済の低迷の原因と指摘する人もいるが、実際には政情が安定しているアフリカの国でも、経済は低迷している。近年のアジアの経済発展とは対照的で、アジアには政情不安定や政治の腐敗度合が比較的高い国もあるが、アフリカ諸国より高い成長率を示している。そのため、話はそれほど単純ではない。
アフリカの最大の問題は、上の第1段階のところにあると指摘。アフリカの気候(熱帯や砂漠)と地理的な環境(内陸の国が多い)に困難さの根本的な原因がある。特に、マラリアとAIDSという2つの伝染病が、アフリカの人々の平均寿命を短くし(サハラ以南は2000年まで平均寿命が47歳に留まっていた。それに対し、東アジアは69歳)、高等教育を受けた人材の育成を難しくしている。つまり、高等教育のコストを回収する前に死ぬので、教育を終了した人材の人口が少ない上に、教育を受ける経済的なインセンティブも低い。
インフラへの十分な投資が行われていないのも深刻な問題で、水道・道路・電気などが内陸部では全く利用できない。もともと、土壌が貧しい上に旱魃などが発生しやすく、単位面積あたりの農業生産高が低いので、多量の人口を養えず、人口が集積していない。そのため、インフラの整備は効率がとても悪い。このことが、近代的な農業の導入を遅らせ、農業生産性の向上を阻害する悪循環になっている。
そのため、ODAOfficial Development Assistance)によって、上記第1段階の支援をしなければいけないのに、お金が全然足りてないよ!、というのがアフリカの現状。

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その次は、筆者が国連の中で重要なプロジェクトを任されるようになったいきさつとかが書いてあって、いよいよこれから未来のことを語り始めるぞ、というところまで来ました。