巨額為替介入の真意

「真意」なんて言うと、安物週刊誌の見出しみたいですね。別に、本当に真意を知っているわけではなく、ただ、推測しているだけですから、お間違えなきよう。

前回、日本政府が、米国を通じて、日本に対する金融緩和を行っていると書きました。しかし、もう少し、考えを進めると、さらに事情がわかってきます。

日米の経済関係は、緊密な関係です。特に、日本にとって、米国は非常に重要な貿易相手国で、米国の経済動向は日本の経済動向に大きな影響を与えます。米国の景気回復は、日本の景気にとってもプラスの影響をもっているのです。
日本の米ドルに対する巨額為替介入は、米国に対しては、巨額の金融緩和(マネー供給)と等価の影響を与えます。この巨額の金融緩和(為替介入)は、米国の経済を上向きに転じさせる効果も発揮します。現に、米国の景気は底入れから上向きに転じ、株価は上昇しています。そして、この米国の景気回復が、日本の景気を牽引する役割も果たしています。

つまり、日本政府は、巨額為替介入で、米国と日本の両方に金融緩和(マネー供給)を行って、日米両国を同時に景気回復へと導こうとしているのです。この話は、米国政府にとっても悪い話ではなく、一部の製造業(自動車など)の反対を除けば、特段の反対理由もなく、そのため、表面的にはなんだかんだと言いながら、巨額の為替介入は、その額を増額させながら引き続き行われているのです。