日銀総裁の発言

Nikkei Net 11/Mar/2004 日銀総裁「現在の日本経済、正常な姿ではない」

この発言、どのように捉えるのが適当なのでしょう?
「経済学を知らないエコノミストたち」を読んで、構造改革とマクロ政策の目的の違いをおぼろげながら把握してきたところで、この発言を読むと、やや見当が外れているような気もするのですが…
今の不況は、名目でのGDPの低下(あるいはデフレ)が問題となっているのであって、それを克服するために必要なものは、「民間経済の自律的成長力が高ま」ることではなく、適切な金融政策によって適度で安定したインフレを実現することだと思います。
ただし、日銀が「消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ以上になるまで」量的緩和を続けることをコミットしていること、財務省が継続的に為替介入を行って外為市場にマネーを供給していることは、今のデフレ経済に対してよい効果を与えていて、今の景気回復に大きな役割を果たしているとは思っているので、日銀が役割を果たしていないとは思っていないのですが。