イラク派兵
近代国家では、ルールに違反したことを為政者が行おうとしたときは、ルールに基づいて抵抗できるようになっている。為政者は、ルールがなければやりたい放題できるところを、ルールを決められることでそれに従わなければならなくなる。もしも、為政者にやって欲しくないことがあれば、しかるべき手続きをとってルールを決めることが必要で、ルールを決めなければ為政者の行動を規制することはできない。もしも、本当に自衛隊をイラクに派兵させたくなければ、イラクに自衛隊が派兵できないように憲法と法律を現実的な力を持てるように改正すべきであって、それ以外に方法はないのだ。
感情的に憲法改正の議論を否定したり、イラク派兵を糾弾することは、問題の本質的な解決を先送りすることであり、自衛隊の海外派兵をさらにエスカレートさせる効果しかないことを、野党各党は認識すべきである。あるいは、認識しているにも関わらず、上記に挙げた理由によって「確信犯」的に憲法改正の議論を避けているのかもしれない。もしそうならば、それは重大な裏切り行為であることを理解すべきだ。
参考)
第9条【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】
第1項 日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し,国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。
第2項 前項の目的を達するため,陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない。憲法第96条
第1項 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
第2項 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体をなすものとして、直ちにこれを公布する。
各政党の現有勢力(2003年6月12日現在)
政党 衆議院 参議院
自民党 243 113
民主党 138 74
(旧民主党 116 60 )
(旧自由党 22 14 )
公明党 30 24
共産党 20 20
社民党 18 6
保守新党 10 4
無所属 16 6
欠員 5 0
合計 480 247